Nick Goold
2026年の米中間選挙は、11月3日(火)に行われます。現在、共和党は連邦議会の上下両院で多数派を占めており、トランプ大統領も共和党に所属しています。今回の選挙では、共和党が両院の多数派を維持するのか、それとも民主党がいずれか、または両方で多数派を獲得するのかが焦点となります。
FX・CFDトレーダーにとって重要なのは、選挙結果が政府支出、米金利、ドル、株式、金にどう影響するかです。複数の結果を想定しておくことで、市場の反応を見ながら取引機会を探せます。
米議会の上院と下院とは?
米国の連邦議会は法律を制定する機関で、上院と下院の二院で構成されています。
- 下院:議決権を持つ議員は435人で、それぞれの選挙区を代表します。任期は2年で、中間選挙では全議席が改選されます。
- 上院:各州2人、計100人の議員で構成されます。任期は6年で、2年ごとに約3分の1が改選されます。このほか、欠員を補う補欠選挙も行われます。
法案は上下両院で同じ内容が可決された後、大統領に送られます。そのため、どちらか一方で多数派を獲得すれば、法案の成立を阻止できます。今回、トランプ大統領は選挙の対象ではありません。次の大統領選挙は2028年で、新しい議会は2027年1月3日に発足します。
選挙結果が重要なのはなぜ?
新たな税制や政府支出に関する法案には、上下両院の承認が必要です。共和党が両院の多数派を維持すれば、トランプ大統領の政策は通りやすくなる可能性があります。民主党がどちらかで多数派を獲得すれば、その協力が必要になります。ただし、共和党内でも意見が分かれることはあり、民主党が可決した法案に大統領が拒否権を行使することもできます。
結果はいつ分かる?
最も早い投票締め切りは、インディアナ州とケンタッキー州の一部で、11月3日午後6時(米東部時間)、日本時間では11月4日午前8時です。日本の午前中にかけて、各地の開票結果が順次伝わってきます。
勝敗が明確であれば、報道機関が選挙当日の夜に大勢判明と伝える可能性があります。一方、重要な選挙区や州で接戦になれば、議会の多数派が決まるまで数日以上かかることもあります。
現在はどのような結果が予想されている?
Polymarketは、将来の出来事の結果を予測して売買する予測市場です。2026年10月27日時点で引用した予測確率では、民主党が多数派を獲得する可能性は次のようになっています。
- 上院:65%
- 下院:92%
民主党は両院で優勢とみられ、特に下院では高い確率が示されています。共和党が両院の多数派を維持すれば、より大きなサプライズとなり、市場の反応も強まる可能性があります。
シナリオ1 — 民主党が上下両院で多数派を獲得
民主党が上下両院で多数派を獲得すると、トランプ大統領は新たな歳出拡大や減税を進めにくくなる可能性があります。政府による景気の下支えが弱まると投資家が考えれば、米国債利回りやドルの下落につながることもあります。
ただし、民主党が勝っただけで政府債務が減るわけではありません。歳出を巡る対立が、市場の不安材料になる可能性もあります。
- ドル円:米国債利回りの低下でドルの魅力が弱まれば、下落する可能性があります。
- ユーロドル:ドル安を背景に上昇する可能性があります。
- 金:ドル安や利回り低下が支援材料になる可能性があります。
- 米株価指数:利回り低下は、特にナスダックの支援材料になり得ます。ただし、成長鈍化や企業利益の減少への懸念は、株価の重荷となる可能性があります。
米国債利回りとドルがそろって下落しているかを確認しましょう。その動きが確認できれば、最初の値動きを追いかけず、ユーロドルの押し目買いやドル円の戻り売りを検討できます。
シナリオ2 — 民主党が下院で多数派を獲得し、共和党が上院を維持
上下両院で多数派の政党が分かれると、新たな税制や政府支出に関する法案を通すには、両党の歩み寄りが必要になります。大きな政策変更は進めにくくなる可能性があります。
結果が投資家の予想に近ければ、最初の市場の反応は長続きしないかもしれません。市場の関心が、経済指標や金利にすぐ戻る可能性もあります。
- ドル円:米国債利回りがほとんど変わらなければ、直近のレンジ内で推移する可能性があります。
- ユーロドル:金利見通しが変わらなければ、初動の上昇や下落が打ち消される可能性があります。
- 金:ドルや利回りに左右される展開に戻る可能性があります。
- 米株価指数:不透明感の後退で上昇する可能性がありますが、企業業績や借入コストも引き続き重要です。
急な値動きが続かず、価格が元のレンジに戻った場合は、レンジの中心付近への動きを狙う方法もあります。ただし、まずはブレイクが失敗したことを確認しましょう。予想どおりの結果でも、強いトレンドが生まれることはあります。
シナリオ3 — 共和党が上下両院の多数派を維持
共和党が勝利すれば、トランプ大統領は政策を進めやすくなる可能性があります。減税や歳出拡大、企業利益の増加への期待が、当初は株価やドルを支えるかもしれません。
焦点となるのは、それらの政策にどれほどの費用がかかるかです。
トランプ大統領の5,000ドル給付の公約
トランプ大統領は、共和党が議会の多数派を維持すれば、成人の米国市民に5,000ドルを給付すると約束しています。費用は1兆ドルを超える可能性があり、財源や実施方法には不明な点が残っています。
給付は個人消費を押し上げる可能性があります。一方、政府の借り入れが増えれば、国債利回りの上昇やインフレ懸念につながり、企業や家計の借入コストも高まる可能性があります。
- ドル円:米国債利回りとドルがそろって上昇すれば、上昇する可能性があります。
- ユーロドル:米国債利回りの上昇でドル買いが強まれば、下落する可能性があります。
- 金:ドル高や利回り上昇で下落する可能性がありますが、政府債務への懸念が買いを支えることも考えられます。
- 米株価指数:消費拡大は企業利益を支える可能性がありますが、利回りの急上昇は、特にナスダックの重荷になり得ます。
利回りとドルがそろって上昇すれば、ドル円の押し目買いやユーロドルの戻り売りを検討できます。一方、利回りが上がってもドルが下がる場合は、市場が政府債務をより懸念している可能性があります。その場合、ドル買いの根拠は弱まります。
シナリオ4 — 結果がなかなか決まらない
接戦になれば、議会の多数派が数日間決まらないこともあります。ある選挙結果で価格が急変し、別の結果が伝わると反転する展開も考えられます。
- ドル円:利回りの変化や円の売買に伴い、上下に振れる可能性があります。
- ユーロドル:予想の変化に応じて、方向が何度も変わる可能性があります。
- 金:安全資産として買われる可能性がありますが、ドル高が上値を抑えることもあります。
- 米株価指数:不透明感から下落し、結果が明らかになるにつれて回復する可能性があります。
こうした値動きでは、短期的な急変後の反転を狙う機会が生まれることもあります。例えば、急上昇が止まり、直前に上抜けた水準を再び下回った場合、元の価格帯へ戻る動きを狙う方法が考えられます。
取引量を抑え、損切り水準を明確にしましょう。新たな結果をきっかけに再び動き出すこともあるため、単に割安や割高に見えるという理由だけで売買しないことが大切です。
取引機会に備える
中間選挙は、為替、金、株式に大きな値動きをもたらす可能性があります。複数の結果を想定しておくことで、取引機会を見つけやすくなります。
明確なトレンドが生まれたら、押し目や戻りを待ってからエントリーを検討しましょう。急な値動きが止まって反転し始めた場合は、元の価格帯へ戻る動きを狙える可能性もあります。取引量を抑え、決済の条件を明確にしておくことが大切です。
さまざまな結果に備え、市場の動きが自分の考えを裏付けたときに行動できるようにしましょう。焦らず、条件のそろった機会を待つことが大切です。

