Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週もWTIの値動きが、多くの市場の方向性を左右し続けました。イラン停戦をめぐる安心感の広がりを受けて、週初からWTIは下落し、米ドルは軟化、世界の株式市場は上昇しました。市場の注目は主にイラン情勢に集まっていたため、経済指標が全体の値動きに与える影響は比較的小さい週となりました。
主な経済材料としては、米国のPPIが予想を下回ったこと、そして米国の鉱工業生産が弱かったことが挙げられます。中東情勢の緊張が和らいだことで、米国の長期金利も低下しました。一方で、米銀の決算が堅調だったことは、米国経済が依然として比較的しっかりしているとの見方を支えました。

週後半にかけては市場心理がさらに改善しました。金曜日には、イラン外相による「ホルムズ海峡は完全に開かれた状態を維持する」との発言が、さらなる安心感につながりました。これを受けて米ドルは下落し、株式市場は力強く週末を迎えました。
今週の市場
米国株
米国株は先週も力強い上昇となり、金曜日の上昇によって、イラン紛争が始まった当初の下落分をすべて取り戻しました。ただし、週末に伝わったホルムズ海峡閉鎖のニュースにより、週明けはやや調整して始まる可能性があります。2週間の停戦期間の終了が近づくにつれて、市場はより慎重になる可能性もあります。米国とイランの指導者からの見出し一つで市場心理は大きく変わる可能性がありますが、現時点では今週は横ばいからやや下向きの動きが有力とみられます。レジスタンスは49,600、50,000、50,500、51,000、サポートは48,500、48,000、47,000、46,000、45,000です。
日本株
イラン情勢の緊張が和らぎ、円安も続いたことで、日経225は今年前半に付けた過去最高値圏へ再び接近しました。日銀が4月会合で利上げを見送る可能性を示唆したことも、株式市場の支援材料となりました。日経平均は2026年に入ってから堅調な動きを続けていますが、ここまでの上昇を受けて、今週は押し目を待つ戦略の方がよさそうです。レジスタンスは60,000、60,500、61,000、61,500、62,000、サポートは57,000、56,000、55,000、54,000、52,000です。
USD/JPY
USD/JPYは先週、WTIの下落と米国の長期金利低下を受けて下落し、160のレジスタンスの強さも改めて意識されました。一方で、日銀は利上げに慎重な姿勢を維持しており、そのことが金曜日に相場が急落した場面で買い戻しを促しました。全体として、USD/JPYは依然としてレンジ相場の中にあり、やや下向きのバイアスが見られるため、短期ではレンジ取引が引き続き有効と考えられます。レジスタンスは160.00、160.50、162、165、サポートは158.00、157.50、156.50、155.00です。
金
金は週初にいったん下を試したあと、米国の長期金利低下を支えに着実に上昇しました。他の市場に注目が集まっていたため、取引環境自体は比較的落ち着いていました。4月上旬の高値付近では上値の重さも見られましたが、上昇トレンドは維持されており、引き続き押し目買いが基本戦略となります。市場は5,000ドル回復を目指す展開が意識されています。レジスタンスは4,900ドル、5,000ドル、5,100ドル、サポートは4,700ドル、4,600ドル、4,500ドル、4,400ドルです。
原油
WTIは先週の大半で下落しました。市場はイラン戦争終結に向けた交渉の進展を材料に売りを進めました。金曜日にホルムズ海峡再開のニュースが伝わると、売り圧力はさらに強まりました。ただし、週末には再び閉鎖との報道もあり、中東情勢は依然として非常に不安定なため、週明けは買い戻しが入る可能性があります。WTIは今後も見出しで大きく動く展開が続きそうですが、戦争終結に向かう期待がある中では、今週は上昇局面で売りを狙う戦略の方が有効と考えられます。レジスタンスは90ドル、95ドル、100ドル、110ドル、120ドル、サポートは80ドル、75ドル、70ドル、67.5ドルです。
ビットコイン
イラン情勢の緊張緩和によってリスク選好が改善し、ビットコインには買い安心感が広がりました。その結果、ビットコインは75,000ドルのレジスタンスを上抜けました。相場は65,000ドルから75,000ドルのレンジをすでに上抜けており、10日移動平均線も上向きに転じています。当面は押し目買いが有効な戦略と考えられます。レジスタンスは80,000ドル、85,000ドル、90,000ドル、サポートは75,000ドル、65,000ドル、60,000ドル、55,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:なし
火曜日:日本 調整済み貿易収支、英国 失業率、EU ZEW景況感指数、米国 小売売上高・中古住宅販売保留件数
水曜日:日本 貿易収支、英国 消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI)
木曜日:日本 S&Pグローバルサービス業PMI、豪州 失業率、EU HCOBユーロ圏製造業PMI、英国 S&Pグローバル製造業PMI、米国 S&Pグローバル製造業PMI
金曜日:日本 全国コアCPI、英国 小売売上高、米国 ミシガン大学消費者信頼感指数
週末に伝わったホルムズ海峡の再閉鎖に関する報道は、週明けの市場を慌ただしい展開にし、イラン紛争が早期に終わるとの期待を後退させる可能性があります。市場は引き続きWTIの値動きに注目し、新たな見出しに素早く反応する展開となりそうです。また、米国の小売売上高や消費者信頼感も注目材料であり、原油高が消費者心理やより広い景気見通しに悪影響を与え始めているかどうかが焦点となります。
