Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
地政学的緊張の高まりを受けて投資家が安全資産を求めたことから、金はやや上昇しました。一方、ビットコインは直近の急落後も需要が弱い状態が続いています。株式市場では、NVIDIAの好決算にもかかわらず、米国の関税引き上げへの懸念やAIが既存のビジネスモデルに与える影響への不透明感が重しとなり、米国株は軟調に推移しました。
週前半に発表された米消費者信頼感指数は予想を上回りましたが、市場への影響は金曜日の予想を上回るPPI(生産者物価指数)の方が大きくなりました。この結果、利下げが遅れる可能性への懸念が強まり、米国株に下押し圧力がかかる一方、米ドルを支える要因となりました。

週末には、米国とイスラエルによるイランへの共同攻撃でイランの高官が死亡したとの報道を受け、地政学的緊張が急激に高まりました。週明け月曜日には、供給混乱や紛争拡大への懸念から原油と金が上昇しました。米ドルも強含みで推移する一方、投資家がリスク資産へのエクスポージャーを縮小したことで、世界の株式市場は下落しました。
今週のマーケット
米国株
米国株式市場は2月を軟調に終え、イランへの攻撃を受けてセンチメントは引き続き不安定な状況が続くとみられます。週明け早々、相場はすでに2月安値を試しています。この水準を明確に下抜ければ、週初に下落が加速する可能性があります。短期トレーダーは、米株が強い売りに転じた場合、2月安値割れでの売りを検討する余地があります。一方、サポートが維持され買いが入れば、短期的な反発を狙う戦略も考えられます。中期トレーダーは、戻り売りを狙うための反発、もしくは週後半の明確な安値割れを待つ方が無難でしょう。レジスタンスは49,000、50,000、50,500。サポートは48,300、48,000、47,750、47,500です。
日本株
高市首相の強いリーダーシップと、日銀の追加利上げが先送りされる可能性を示唆する動きが先週の日経平均を押し上げ、一時60,000円に迫りました。週明けはイラン情勢を受けて売りが先行しましたが、10日移動平均線付近でサポートが機能し、基調的な需要は依然として堅調で下値は限定的とみられます。地政学リスクがさらに悪化しない限り、57,500円から60,000円のレンジ取引が今週の現実的な戦略となりそうです。レジスタンスは59,000円、60,000円、61,000円。サポートは57,000円、56,500円、56,000円、55,000円です。
ドル円
ドル円は先週、市場を驚かせる強い上昇を見せました。高市首相が経済支援姿勢を示し、日本の金利がより長く低水準にとどまるとの見方が広がったことが背景です。この期待の変化が円安を促しました。週明けはイラン情勢を受けて安全資産として米ドルが買われ、さらに上昇しました。10日移動平均線も上向きに転じており、日銀の介入観測を意識しながら158付近を試す展開も想定されます。レジスタンスは157、158、159。サポートは155、154、153、152です。
金
中東情勢の緊張やドルからの分散投資の動きが続く中、先週の金は上昇しました。週末の米国とイランを巡る緊張激化を受けて週明けは強いスタートとなりました。短期的にはやや買われ過ぎの水準にあるため、高値追いには注意が必要です。短期移動平均線への押し目を待つ戦略が有効でしょう。緊張が続けば、今後数週間で過去最高値を試す可能性もあります。レジスタンスは$5,400、$5,500、$5,600。サポートは$5,200、$4,900、$4,850です。
原油
原油は中東情勢の緊張を背景に買われ、先週はレジスタンス付近で引けました。週明けには米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて約10%のギャップ高で始まりましたが、その後は高値からやや調整しています。今後の価格動向は紛争の拡大度合いに左右されるでしょう。短期的には変動が大きくなる可能性が高く、大きな値動きに対して逆張りの機会が生じるかもしれません。中期では、$67.5付近の過去高値手前で押し目買いを検討する余地があります。レジスタンスは$75、$80、$85。サポートは$67.5、$65、$60、$55です。
ビットコイン
ビットコインは先週も軟調に推移しましたが、積極的な売りは見られず、$65,000付近で買いが支えています。短期トレンドはやや弱含みで、10日移動平均線も下向きです。中東情勢によるリスク回避が強まれば、今週は$60,000を試す可能性があります。レジスタンスは$70,000、$75,000、$80,000、$85,000。サポートは$65,000、$60,000、$55,000です。
今週の注目点
月曜日:EU ドイツ小売売上高、HCOBユーロ圏製造業PMI、英国 Nationwide住宅価格指数、S&Pグローバル製造業PMI、米国 S&Pグローバル製造業PMIおよびISM製造業景況指数
火曜日:日本 設備投資、豪州 経常収支、EU CPI
水曜日:豪州 GDP、日本 S&Pグローバルサービス業PMI、中国 製造業PMI、EU HCOBユーロ圏サービス業PMIおよび失業率、英国 S&Pグローバルサービス業PMI、米国 S&Pグローバルサービス業PMIおよびベージュブック
木曜日:豪州 貿易収支、英国 S&Pグローバル建設業PMI、EU ECB理事会議事要旨、米国 貿易収支および製造業受注
金曜日:EU ドイツ製造業受注、英国 ハリファックス住宅価格指数、EU GDP、米国 小売売上高、非農業部門雇用者数、企業在庫
今週はイラン情勢の影響が最大の焦点となります。リスク資産のさらなる売りにつながるのか、それとも影響が限定的と受け止められるのかが注目されます。経済面では、世界各地の製造業指標に続き、金曜日の米雇用統計が最大の注目材料となります。この結果は金利見通しや市場のボラティリティに影響を与える可能性があります。
