Nick Goold
米国中間選挙を受けて、ドル円、ユーロドル、金、米国株価指数が大きく動く可能性があります。値動きを左右するのは、選挙結果が市場の予想どおりになるかどうかです。
予想どおりの結果なら反応は限られるかもしれませんが、サプライズがあれば大きな値動きにつながる可能性があります。開票が進むにつれて最初の動きが反転することもあるため、慌てて取引に入らないことが大切です。
選挙結果はいつ分かる?
開票結果は、米国東部標準時(EST)の11月3日(火)夕方から順次明らかになります。日本では11月4日(水)の朝に当たります。
投票の締め切り時刻は以下のとおりです。
- インディアナ州とケンタッキー州の一部:米国東部標準時午後6時/日本時間午前8時。
- その他の多くの州:米国東部標準時午後7時~9時/日本時間午前9時~11時。
- カリフォルニア州:米国東部標準時午後11時/日本時間午後1時。
- アラスカ州の大部分:米国東部標準時11月4日午前0時/日本時間午後2時。
- アラスカ州の残りの地域:米国東部標準時11月4日午前1時/日本時間午後3時。
最後に投票が締め切られるのはアラスカ州です。ただし、それまでに他の選挙区で十分な数の当選者が決まれば、上下両院の多数派が判明する可能性があります。
これらは投票の締め切り時刻であり、当選者が発表される時刻ではありません。接戦では結果の判明まで数日以上かかることもあり、その間も相場が動き続ける可能性があります。
市場はどのような結果を予想している?
11月3日時点のPolymarketでは、民主党が下院で多数派を獲得する確率は約95%と、1週間前の92%から上昇しています。上院も67%から78%に上がっています。これらは、それぞれの院で多数派を獲得する確率です。
この1週間で民主党勝利への期待が高まっており、投資家はすでにポジションを調整している可能性があります。そのため、予想どおりの結果なら市場の反応は限られるかもしれません。共和党が上院の多数派を維持すればサプライズとなり、上下両院を維持すれば、さらに大きな予想外の結果となります。
トレーダーにとって重要なのは、結果が予想と比べてどうだったかです。民主党が勝ったというだけでは、それまでの値動きがさらに大きく続くとは限りません。
民主党が上下両院で多数派を獲得した場合
民主党が上下両院を制すると、トランプ大統領は新たな減税や歳出計画を通しにくくなる可能性があります。ドル安につながれば、ドル円には下落圧力がかかり、ユーロドルと金には追い風となります。ただし、市場がすでにこの結果を織り込んでいれば、反応は限られる可能性があります。
金は最近すでに大きく下落しているため、選挙結果をきっかけに買いが戻れば、大きく反発する可能性があります。ドル円は狭いレンジで推移していますが、155円を割り込むと下落が加速するかもしれません。その後に反発しても155円を回復できなければ、売りのチャンスになる可能性があります。
民主党が下院を制し、共和党が上院を維持した場合
上下両院で多数派が分かれると、新たな税制や歳出計画は通りにくくなる可能性があります。一方、選挙を巡る不透明感が後退し、株価が上昇することも考えられます。
共和党による上院の維持は市場の予想を上回る結果となり、ドルを押し上げる可能性があります。ドル円が上昇し、金が下落することも考えられます。ドル円が158円を超えた場合は、日本当局による円買い介入への警戒が強まる可能性があります。
共和党が上下両院の多数派を維持した場合
主なシナリオの中では、最も大きなサプライズとなります。トランプ大統領は、新たな減税や歳出計画を進めやすくなります。
減税が企業利益を支えるとの期待から、米国株が上昇する可能性があります。ドル高が進めば、ドル円は上昇し、ユーロドルは下落することが考えられます。金は下落し、サポートを割り込めば売りが強まる可能性があります。
結果の判明が遅れる、または接戦が続いた場合
接戦になれば、各選挙区の結果が出るたびに相場が大きく動く可能性があります。共和党に有利な結果を受けてドルと米国株が上昇し、金が下落しても、次に民主党に有利な結果が出ると、その動きが反転することも考えられます。
地域によって開票の進み方が異なるため、序盤の得票数だけでは全体の流れを判断しにくいこともあります。開票が進むにつれて、それまでのリードがなくなり、不透明感が強まる可能性があります。
こうした状況では、ドル円、金、米国株の急な値動きを追いかけないようにしましょう。反転が続く場合は、結果がもう少し明確になるまで待つことも大切です。
原油と中東情勢にも注目
トランプ大統領が中間選挙後まで追加攻撃を見送っているとの見方がありました。そのリスクはやや後退したように見えますが、情勢は依然として不安定です。
追加攻撃やホルムズ海峡での航行の混乱が起きれば、原油価格が上昇する可能性があります。一方、緊張が和らいだり交渉が進展したりすれば、供給不安が後退し、価格が下落することも考えられます。
中東情勢は選挙結果とは別に原油相場を動かす可能性があるため、引き続きニュースを確認しましょう。
ドル円に対する日本当局の対応
片山さつき財務相は、選挙結果にかかわらず、日本と米国は為替について連携を続けるとの考えを示しています。また、急激で無秩序な値動きにも警戒を示しています。
選挙を受けてドル円が上昇しても、日本当局のけん制発言や為替介入によって、急速に下落へ転じる可能性があります。開票結果とともに、日本の当局者の発言にも注目しましょう。
選挙による値動きをチャンスに
選挙は、為替、金、米国株など、幅広い市場で取引のチャンスを生む可能性があります。結果が出る前に主なサポートとレジスタンスを確認し、動きに備えておきましょう。最初の動きを捉える必要はありません。押し目や戻りを待つことで、より良い価格で入れることもあります。また、ブレイクが失敗すれば、反対方向への取引を狙える可能性もあります。
エントリーと決済を計画し、スプレッドの拡大や大きな値動きも想定しておきましょう。ポジション全体の偏りにも注意が必要です。ドル円を売り、同時にユーロドルと金を買うと、複数の取引がドル安に依存することになります。
開票が進む中で、相場の変化に柔軟に対応しましょう。事前に準備しておけば、明確なチャンスが現れたときに値動きを生かしやすくなります。

