石田 和哉
米国市場はほぼ横ばいの展開となっており、不安定な相場の中でS&P500は2023年11月以来、実に半年ぶりとなる上昇率で5月を終える展開となった。
米中間での貿易協定が合意、重要鉱物の取引に関する合意にも違反したとトランプ大統領が主張した事で中国に対しての関税措置の復活の可能性が出てきており、中国の習近平国家主席との会談でこれらの問題が解消される可能性が示唆されたことで不安要素は一旦、後退したものの、週明け以降の所信次第では市場で混乱が広がる可能性も出てきている。
米国の貿易政策が投資家心理を悪化させ、5月の市場は不安定なものになったが、貿易政策の改善や好調な企業業績などで米国市場は値を戻す展開となった。
6月は米中貿易協定だけでなく、日米関税交渉の進捗、4月9日に一旦停止した世界各国との相互関税措置の行方、期限が迫る中での投資家心理の変化など様々な要因があり、不安定な相場展開はまだまだ続くと思われる。
(ダウ平均 推移) 
(Reutersより)
6月第1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
6月2日(月)
23:00 米国 5月ISM製造業景況指数
26:00 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
6月3日(火)
18:00 ユーロ 5月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 5月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
6月4日(水)
21:15 米国 5月ADP雇用統計(前月比)
23:00 5月 ISM非製造業景況指数(総合)
6月5日(木)
21:15 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)政策金利
6月6日(金)
18:00 ユーロ 1-3月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前期比)
18:00 ユーロ 1-3月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前年同期比)
21:30 米国5月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国5月失業率
21:30 米国5月平均時給(前月比)
21:30 米国5月平均時給(前年同月比)
日本市場
日本市場は37,965.10円で週を終える形となっており38,000円を意識する展開となっている。
日経平均は週間で755.84円、月間で1,919.72円の上昇となっており、半年間で-547.92円とトランプ政権による貿易政策による混乱から日経平均は、ほぼ回復する形で推移している。
米国際貿易裁判所による関税差し止め措置で大幅高となった展開が、一時停止されたことで嫌気、不安材料となり、ドルも円高方向に触れた事が警戒を呼んでおり週明けの市場
38,000円台を維持できるのかどうか?となりそうだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
英国・欧州市場共に上昇して30日を終えている。
両市場ともに月間で大きく値を上げる展開、英国FTSE100種が3.27%、STOXX欧州600が4.02%の上昇となり、トランプ大統領による関税措置を巡る混乱からの戻りの発生した1月となっている。
両市場共にトランプ大統領による関税を巡る不透明感が強い中で市場への投資資金が米国経済への懸念から投資資金の流入先の1つとなっており、買いが続く展開となっている。
30日にトランプ大統領が中国との関税協定の中で合意に違反したと主張し、厳しい対処を行うと示唆した事と、その後の中国の習近平国家主席との会談で緩和を期待すると声明を出したことで米国関税措置が長期、かつ複雑化するのでは?との懸念も出てきており、6月は方向性の見え難い展開となるのでは?と市場では懸念が広がっている。
(STOXX欧州600 推移)
(Reutersより)
今週の為替
GBP/USD
GBP/USDについて解説していきたい。
GBP/USD4時間足上では上昇トレンドが終わり、転換に差し掛かる絶好の位置に来ている。
上昇トレンドで形成された推進波5波の後の調整波a-bも完成しており、現在はc波となっており、a-b波で形成された抵抗線(安値)を下回ることができるのであれば、ダウ理論の切り下げ形成を含めた下降トレンドへの転換が発生する。
a-b波で形成された安値は直近の上昇トレンドの高安値の38.2%にも位置しており、価格の意識ももしっかりとされている事から安値を抜けてくれば50%、61.8%ラインに向けての売りでしっかりと市場の流れに乗る事もできそうだ。
安値を超えることができなかった場合には三角持ち合い、レンジへの転換となる事から買い目線となるが、その場合にはb-c波で形成されている高値より下での取引を心掛けたい。
