石田 和哉
1日の米国市場は米労務省の発表した7月米雇用統計が市場を下回った事、過去2か月分の雇用者数も大幅な下方修正となったことを受け、労働市場が急激に悪化している可能性が示されたことから市場は大きく値を下げる展開となった。
7月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が7.3万人と市場予想の11万人に遠く及ばず、過去2か月分の雇用者数も5月の伸びが14.4万人から1.9万人、6月の伸びが14.7万人から1.4万人と大幅な下方修正と新型コロナウイルス禍以降では最低の水準となった。
雇用統計を受けた市場では次回のFRB会合で利下げに追い込まれる、利下げを行わざる得ないだろうとの観測が強まり、米2年債利回りが急低下している。
また、同日発表されたISMのPMIも48と前月の49から低下、5か月連続で分岐点を下回る形となっている。
(米ダウ 推移) 
(Reutersより)
8月第1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
8月5日(火)
08:50 日本 日銀・金融政策決定会合議事要旨
23:00 米国 7月ISM非製造業景況指数(総合)
8月7日(木)
20:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
8月8日(金)
21:30 カナダ 7月新規雇用者数
21:30 カナダ 7月失業率
日本市場
日本市場は40,799.60円で週を終えており、週間では-716.31円となっている。
日本最大の半導体メーカー、東京エレクトロン、世界3位であり国内1位の半導体メーカーの決算が下方修正されたことと、対米関税が8月1日の関税発動期限を控え市場が神経質になる中で半導体の需要伸び悩みが懸念材料として台頭した形となっている。
他の半導体メーカーも軒並み売られており、渦中の中心となった東京エレクトロンは18%安と大幅安、1社で日経平均を500円近く押し下げる状況となった。
8月1日から適応される対米関税、欧州・アジア市場など世界各国で投資家の思惑、心理が働き上下の動きがしばらく続くと思われる。
週明けの動きとしては関税発動日の1日に休場となっており、1日に39%の関税措置が発表されたスイス、EUの動きがどうなるのか?日本市場では急落した東京エレクトロンを含む半導体銘柄の動きがどのようなものとなるのか?に注目が集まることになりそうだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場・英国市場は値を下げる展開となった。
トランプ大統領による新たな関税措置、処方薬の薬価引き下げ要求等が重石となり、両市場ともに値を下げる形となっている。
米国雇用統計の悪化、雇用者数の過去2か月の伸びの大幅な下方修正などが投資家心理を冷やす形となっている。
相互関税に関してもスイスが39%という高関税率を課せられるなど経済への影響、企業業績の悪化を懸念する動きが現れている。
投資家の不安心理を示すユーロSTOXX50ボラティリティ指数は21.79と不安心理が数字となって現れる形となっている。
休日であったスイス市場が39%の関税措置を受けてどのような展開となるのか?週明けのEU市場動向に注目したいところとなっている。
(STOXX50ボラティリティ指数 推移)
(Reutersより)
今週の為替
EUR/JPY
EUR/JPYについて解説していきたい。
EUR/JPY4時間足は破線2線による上値抵抗線・下値支持線が形成されており、直近の上昇トレンドが長く、値幅もあり下降トレンド形成となった場合にはある程度の値幅を伴う動きを期待することができそうだ。
直近の安値、下髭を伴って形成された安値が38.2%を伺う価格ではあるが、下髭を付けた分、
安値抜けまでの値幅もあり明確な抜け以外での売買は少しリスクを伴いそうだ。
下値を抜けるまでにダウ理論上の切り下げを複数回行う形となるのか、関税措置による経済不安からの急騰落となるのか?不透明な部分も散見される状況となっている。
