石田 和哉
22日の米国市場はFRBパウエル議長が利下げを示唆したことが市場に好意を持って受け入れられ、ダウ平均は最高値を更新する展開となるなど米国市場は好調な展開となった。
利下げを巡ってFRBへの介入とも見られる動きを度々行ってきた米政権の動きが終息に向かうだろうとの安心感、不安材料の後退という見方もできる事から、中立的な立場を維持し続けてきたFRBの中立性が今後も維持される?のではとの考えも投資家に安心をもたらす形となっていると思われる。
デヴェア・グループの最高経営責任者、ナイジェル・グリーン氏は「パウエル議長はジャクソンホールで中央銀行が最も得意とすることをやった。つまり、扉を開いたままにしておいたのだ」と指摘。「9月に利下げすれば、家計や企業は安心するだろう。延期すれば、よりハードランディングになる可能性が高まるだけだ」と述べるなどした。
少なくともパウエル議長の任期26年5月半ばまでは中立性が維持されると思われるが、FRB理事のクック氏への辞任の強要など、FRBへの圧力を高める行動を政権がとっていることもあり、利下げ示唆による好感も今後の展開次第では落胆と嫌悪へと転換する可能性もあることから進捗の推移をしっかりと見守っていきたいところとなっている。
(米ダウ 推移) 
(Reutersより)
8月第4週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
8月25日(月)
23:00 米国 7月新築住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 米国 7月新築住宅販売件数(前月比)
8月28日(木)
20:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
21:30 米国 4-6月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率)
8月29日(金)
21:30 米国 7月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
21:30 米国 7月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
21:30 米国 7月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
日本市場
日本市場は42,633.29円で週を終えており、週間では‐819.61円となっている。1週間で2,100円近い上昇からの調整なのか、819円の下落となった。
2週間では1,300円ほどの上昇とチャート上ではダウ理論の切り上げの形成がされ続ける上昇トレンド継続となっている。
先週も記載した過加熱感は意識され続けており、一端の調整相場となるのかどうかは米国市場動向次第となっているが、ダウ理論の切り上げの形成による上昇トレンドの転換価格は40,000円付近が意識されており、調整相場となった場合には最大で2,000円程の下落の可能性は見て取れる。
安値と高値を結んだフィボナッチで考えた場合には41,500円が意識されることから、調整となった場合の第一の下落価格は41,500円を意識、米国市場が崩れた場合には40,000円を意識する展開となりそうだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場、英国市場共に値を上げる展開となった。
米国で開かれている年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で講演したFRBパウエル議長による利下げの示唆が好感されたこと、米国市場は値を上げる展開となったことで欧州・英国市場も値を上げる展開となった。
英FTSE100種は週間で2%の上昇、欧州STOXX600は週間で1.4%の上昇となっている。
FRBパウエル議長の発言を受けての上昇展開ではあるものの、関税措置による経済への影響、ウクライナとロシアの停戦の行方など不安の残る状況に変化はなく、外的要因に左右される状況がまだまだ続きそうだ。
インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズのジェイ・ハットフィールド最高経営責任者は、「パウエル議長は明らかに市場の予想以上にハト派的な姿勢を示しており、労働市場の弱体化に伴うリスクも認識している」と指摘。「これで9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げに向けた準備は整った」と述べるなどした。
(欧州STOXX600 推移)
(Reutersより)
今週の為替
EUR/JPY
EUR/JPYについて解説していきたい。
7月後半の強い下落トレンドの後、相場は8月に入ってから方向感を失っており、レンジ相場を形成している。レンジ内で高値が徐々に切り下がり、安値が徐々に切り上がっている三角持ち合いを形成している。
三角持ち合いは今後の相場に大きな影響を与える重要な形であり、抜けの方向を判断する必要がある。
上方向へのブレイクでは7月後半にかけての下落に対する調整が再度上昇トレンドへの転換へと変化する可能性、下方向へのブレイクは直近の下降トレンドが一過性に過ぎず、再度、売りが加速する可能性の高い形となっている。
上値抜けの場合には 172.750円付近が第一、173.800円が第二の価格帯として意識されており、この価格帯(水準)を突破すれば、再び本格的な上昇トレンドへの転換が期待できそうだ。
下値抜けの場合には170.936円が意識されると思われる。これは下値支持線でもあり、一時的な反発が起こりやすい水準。その次は8月の安値である169.510円となり、その水準をも下回ると169円をした抜ける流れになると思われる。
