Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
イラン情勢の緊迫化とトランプ大統領による追加攻撃の警告を受け、WTI原油は100ドルを上回る水準で上昇を続けました。原油高に加え、AIインフラへの巨額投資に対する懸念が世界の株式市場の重荷となりました。米住宅関連指標が予想を大幅に下回ったことも、景気への不安を強めました。
投資家が安全資産を求めて米国債を買ったことで、米10年国債利回りは約1カ月ぶりに5%を下回りました。利回りの低下を受けてドルが売られ、円高が進みました。日本の全国消費者物価指数では、生鮮食品を除くコア指数が前年同月比2.1%上昇し、日銀の物価目標である2%を引き続き上回りました。

英国では失業率が予想に反して低下し、イングランド銀行が11月5日の会合で利上げに踏み切るとの観測が強まりました。一方、米中間選挙を前に支持率の低迷で政治的な圧力が強まる中、トランプ大統領が膠着状態を打開するため、イランへの軍事行動を拡大する可能性も引き続き警戒されています。
今週の市場見通し
米国株
投資家がハイテク株からディフェンシブ銘柄へ資金を移す動きが、引き続きダウ平均を支えています。10日移動平均線は上向きを維持していますが、先週金曜日の下落で上昇の勢いは鈍りました。FRBの政策金利発表を控える今週は、レンジ内での売買が有効となりそうです。上値抵抗線は53,000、53,750、54,000、54,500、下値支持線は52,000、51,000、50,000、49,000です。
日本株
AI関連株への売りが続き、日経平均は先週も下落しました。WTI原油の上昇も、日本の企業や消費者のコスト負担を増やす要因として重荷となっています。下落トレンドは依然として強く、上値抵抗線となっている10日移動平均線付近まで反発した場合は、戻り売りの機会を探りたいところです。上値抵抗線は64,000、65,000、66,000、67,000、68,000、下値支持線は62,000、60,500、60,000、59,000、58,000です。
ドル円
先週のドル円は、米長期金利の低下と、今週のFRB会合で政策金利が据え置かれるとの見方を背景に下落し、ようやく158円付近の水準を離れました。短期チャートは弱気に転じており、今週の日米金融政策会合を前に、一段安を試す可能性があります。反発局面では戻り売りを検討したいところです。上値抵抗線は158.00、158.50、159.00、160.00、下値支持線は156.00、155.00、153.00、152.50、152.00です。
金
先週の金相場は軟調で、4,000ドルを割り込みました。原油が100ドルをさらに上回る水準へ上昇し、米国の利上げへの警戒感が強まったことが背景にあります。AI関連株の損失を補うため、金を売却する投資家も見られました。今後は節目の4,000ドル付近で値動きが落ち着き、その上下でレンジ取引の機会が生まれる可能性があります。上値抵抗線は4,065、4,100、4,150、4,220、4,250ドル、下値支持線は3,950、3,900、3,800ドルです。
原油
米国によるイランへの大規模攻撃への懸念が強まり、WTI原油は100ドルを上回る水準で上昇を続けました。背景には、米中間選挙を前に戦争を終結させ、支持率を高めたいというトランプ大統領の思惑があります。供給不安と強気のチャートに支えられ、上昇トレンドは依然として強い状況です。10日移動平均線に向けて下落する場面では、押し目買いの機会を探りたいところです。上値抵抗線は105、110、115ドル、下値支持線は100、95、90、85、80、75、67.50ドルです。
ビットコイン
AI関連株の下落でリスク資産への投資意欲が低下し、先週のビットコインは売り圧力を受けました。先週木曜日には、ビットコインETFから多額の資金が流出しました。テクノロジー分野への過剰投資に対する懸念が強まる中、短期的には売り圧力が続く可能性があります。上値抵抗線は88,000、90,000、95,000、100,000ドル、下値支持線は79,000、75,000、65,000、62,000、60,000、55,000、50,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:ドイツ・IFO期待指数
火曜日:日本・日銀コアCPI、米国・建設許可件数、耐久財受注、CB消費者信頼感指数、新築住宅販売件数
水曜日:オーストラリア・消費者物価指数(CPI)、米国・財貿易収支、FRB政策金利発表
木曜日:米国・コアPCE価格指数、GDP、ユーロ圏・ECB政策金利発表
金曜日:日本・東京都区部コアCPI、失業率、鉱工業生産、日銀政策金利発表、オーストラリア・生産者物価指数(PPI)、ドイツ・失業率、GDP、ユーロ圏・GDP、失業率、米国・雇用コスト指数、シカゴ購買部協会景気指数
今週は中央銀行の金融政策会合が最大の注目材料です。FRB、日銀、ECBはいずれも政策金利を据え置くと予想されており、FRBの利上げ確率はわずか10%にとどまっています。市場では3行とも12月に利上げすると見込まれているため、声明から今後の政策の手がかりを探る展開となりそうです。経済指標では、火曜日の米耐久財受注が注目されます。また、11月3日の米中間選挙に向けた期日前投票も始まっています。トランプ大統領は、共和党が上下両院で多数派を維持した場合、成人の米国市民全員に5,000ドルを支給すると約束しており、国債発行の増加や国債利回りの上昇への懸念につながる可能性があります。

