Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週は複数の米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が金融引き締めを支持する姿勢を示し、米長期金利が上昇しました。市場が織り込む10月の利上げ確率は約70%に上昇。米製造業PMIは市場予想を上回り、59カ月ぶりの高水準となりました。インフレ懸念が続くなかでも米国株は小幅に上昇し、日経平均も日本の3日間の休場明けに大きく上昇しました。
米国の利上げ観測がドルを支え、週の大半は円安が進みました。しかし、片山さつき財務相が、高市早苗首相とトランプ米大統領の会談で円安が議題に上がったと述べたことで、週後半には円が買い戻されました。この発言を受け、日本政府が一段の円安を警戒し、為替問題について米国と緊密に連携していく姿勢が改めて意識されました。

米国と中国は、現在の貿易休戦を2カ月延長し、2027年1月10日までとすることで合意しました。一方、米国とイランによる戦争終結に向けた協議で原油の供給懸念が和らぎ、WTI原油は1バレル100ドルを下回りました。
今週のマーケット
米国株
ダウ平均は、米国の利上げ観測が投資家心理を圧迫して下値を試したものの、週間では小幅高で取引を終えました。週後半には、イランでの戦争終結への期待からWTI原油が下落し、株価も持ち直しました。51,000のサポートから反発しており、10日移動平均線を上抜ければ、今週は一段高となる可能性があります。レジスタンスは52,000、52,700、53,000、53,750、54,000、54,500、サポートは51,000、50,000、49,000です。
日本株
日経225は、週初の日本の休場期間中に上昇しました。円安に加え、WTI原油が1バレル100ドルを下回り、輸入エネルギーコストへの懸念が和らいだことが支えとなりました。10日移動平均線は上向きに転じ、サポートとして機能しています。上昇の勢いが改善していることから、今週は押し目買いを狙う方針が有効と考えられます。レジスタンスは67,000、67,500、69,500、70,000、71,000、サポートは65,000、64,000、63,000、62,000です。
ドル円
ドル円は、強い米経済指標と、インフレ抑制には利上げが必要になる可能性があるとのFRB当局者の発言を受け、重要なレジスタンスである158円を上抜けました。市場は、当局がさらなる円安をどこまで容認するかを探る展開となりました。しかし、トランプ大統領と高市首相が円安について協議したとの報道を受け、投機筋によるドル円売りが入りました。大きな日米金利差は引き続きドルを支えており、10日移動平均線を上回る限り、押し目買いを狙う方針が有効と考えられます。レジスタンスは158.00円、159.00円、160.00円、サポートは157.00円、156.00円、155.00円、153.00円、152.50円、152.00円、150.00円です。
金
金は先週、米国の利上げ観測を背景に売り圧力が続き、月初につけた安値付近まで下落しました。サポートは維持しているものの、10日移動平均線を下回って週を終えており、下落トレンドは続いています。今週の米経済指標が弱い内容となれば、利上げ観測が後退し、買いの機会が生まれる可能性があります。レジスタンスは4,400ドル、4,500ドル、4,600ドル、4,650ドル、4,700ドル、4,775ドル、4,900ドル、サポートは4,225ドル、4,200ドル、4,125ドル、4,100ドルです。
原油
WTI原油は、中東情勢の緊張緩和を受け、先週前半に100ドルを下回りました。木曜日には、イランが一定の条件の下でホルムズ海峡を再開放し、核協議を再開する7日間の計画を提案しました。短期トレンドは下向きに転じており、10日移動平均線がレジスタンスとなる可能性があります。交渉が決裂しない限り、この水準に向けた反発では戻り売りを狙う方針が有効と考えられます。レジスタンスは100ドル、105ドル、110ドル、115ドル、サポートは90ドル、85ドル、80ドル、75ドル、67.50ドルです。
ビットコイン
ビットコインは上昇基調を維持し、週初に82,000ドルのレジスタンスを突破したことで、投機的な買いがさらに入りました。しかし、暗号資産取引所Bitgetが、ハッカーによってホットウォレットから約3億5,000万~3億8,700万ドルが盗まれたと発表したことで、利益確定売りが入りました。この事件は、暗号資産を取引所に預けるリスクを改めて浮き彫りにしました。上昇トレンドは続いており、82,000ドルを上回る限り、押し目買いを狙う方針が有効と考えられます。レジスタンスは85,000ドル、90,000ドル、95,000ドル、100,000ドル、サポートは82,000ドル、75,000ドル、65,000ドル、62,000ドル、60,000ドル、55,000ドル、50,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:日本・日銀金融政策決定会合議事要旨
火曜日:オーストラリア・豪準備銀行(RBA)政策金利、米国・消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)
水曜日:日本・鉱工業生産、オーストラリア・住宅建設許可件数、中国・製造業PMI、英国・GDPおよび企業設備投資、米国・コアPCE価格指数、GDP、シカゴPMI
木曜日:日本・日銀短観、英国・ネーションワイド住宅価格指数、ユーロ圏・HCOB製造業PMIおよび失業率、米国・S&Pグローバル製造業PMI
金曜日:日本・東京都区部コアCPIおよび失業率、ユーロ圏・CPI、米国・非農業部門雇用者数
今週は、戦争終結に向けた協議の行方と原油価格の動向に注目が集まります。円相場についても、為替介入の兆候や日米当局者の発言を注意深く見極める展開となりそうです。経済指標では、金曜日の米雇用統計が最大の注目材料です。それに先立つ英米のGDPや日本の東京都区部コアCPIも、市場を動かす可能性があります。

